
1メートルの苗を未来へ引っ越しさせた日|白金の森からエミナースへ
- 佐藤 琢朗
- 5 時間前
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12月14日(日)13時から15時30分。
この日は、白金の森で育てていただいていたどんぐりの苗を掘り起こし、空港近くの育苗地・エミナースの畑へ移植する活動を行った。

白金の森の会長・松岡さんが、夏の厳しい暑さの間も大切に見守り、育ててくださったどんぐりの苗たち。
その一本一本は、すでに1メートルほどにまで成長していた。

今回はその苗、約30本すべてを掘り起こし、新しい場所へと引っ越しさせる大仕事である。
前日はしっかり雨が降っていたが、当日はまるで約束されたかのような青空。
土はほどよく湿り、苗を迎え入れるには最高のコンディションだった。
大人も子どももスコップを手に、土に向き合う。
根を切らないよう、焦らず、丁寧に。
掘るたびに現れる、どんぐりのたくましい根に、思わず声が漏れる。


白金の森の松岡会長に感謝状の贈呈も行った。
さて、作業は無事に終わり、30本すべての苗をエミナースの畑へ移植することができた。
実はこの時期の植え替えには、ちゃんと理由がある。
どんぐりの木は、夏の間に光合成をたっぷり行い、地上部をぐんと伸ばす。
そして冬。
葉が枯れ始めるこの時期から、エネルギーの使い道は地中へと切り替わる。
寒さの中で、目には見えないところに根を深く、広く張っていくのである。
だからこそ、今。
このタイミングで移植することで、新しい土地にしっかりと根を下ろすことができる。
人の目に見える成長より、見えない準備の時間が、未来を決める。

今日植えた30本のどんぐりは、まだ「森」ではない。
しかし確実に、未来の水を守り、土を守り、命をつなぐ入り口に立った。
子どもたちの手と、大人たちの知恵が重なったこの時間そのものが、すでに森の一部である。
世界は、こうやって静かに、確実に、よくなっていく。


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