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掌のどんぐりが拓く未来。熊本の湧水を守る「世代を超えた」植樹レポート

  • 2月7日
  • 読了時間: 3分

熊本の誇りである豊かな湧水。

それを育むのは、阿蘇の裾野に広がる広大な森林です。

今回、菊池市旭志麓にて行われた植樹体験実習会。

そこには、単なる環境保全活動の枠を超えた、力強い「命のバトン」がありました。


私たち「熊本の湧水を守ろう会」が現場に持ち込んだのは、100本の小さなどんぐりの苗木。

これらは、熊本市内の幼稚園・保育園の園児たち、そして半導体産業の熱気に沸く菊陽町の菊陽西小学校の児童たちが、一粒のどんぐりから大切に慈しみ育ててくれたものです。


【現場の熱量】急斜面に挑む、デジタルの旗手たち

実習の舞台は、ガードレールの下に切り立つ険しい山肌。少し足を踏み外せば滑落しそうな厳しい環境に、NTTグループ、清水建設、システムフォレストといった、現代社会のインフラを支える企業の方々が挑みました。

普段はスマートフォンの画面やPCのモニターを通じて「世界」を見ている皆さんが、この日は泥にまみれ、急斜面に踏ん張り、慣れない鍬(クワ)を振るいました。「デジタルな仕事をしているからこそ、この土の抵抗感が新鮮で、どこか懐かしい」――。

参加者が漏らしたその言葉には、効率やスピードが重視される日常では得られない、手触りのある「生」の実感がこもっていました。


【循環の物語】菊陽から菊池へ。子供から大人へ。

今回植えられた苗木には、特別な物語が宿っています。菊陽西小学校の子供たちが土をいじり、芽吹きを喜んだ苗木が、隣接する菊池市の水源地に植えられる。菊陽町で進む先端産業の発展を支える「水」を、その地で育つ子供たちが自ら育てた木が守っていく――。


これこそが、私たちが理想とする「人と自然とテクノロジーの共存」の姿ではないでしょうか。


子供たちの小さな手から、企業の大人たちの大きな手へ。そして、その手から菊池の深く力強い土壌へ。託された100本のバトンは、今、確実に大地の奥深くへと根を伸ばし始めています。


【60年後の景色】私たちは、未来に何を残せるか

「林業のサイクルは60年。私たちがこの木の成長を見届けることは叶わないかもしれない」

森林組合の方の言葉に、現場が時の流れを意識しました。


半導体の技術がナノ秒単位で進化する一方で、森が水を育む力を持つまでには、気の遠くなるような年月が必要です。

しかし、今日流した汗と、筋肉痛の痛みは、2086年の熊本を潤す「水」へと確実に繋がっています。

「あの時、菊陽の子供たちが育てた木を、自分がここに植えたんだ」

数十年後、この森を訪れた誰かが、誇らしげにそう語る姿を想像せずにはいられません。


私たち「熊本の湧水を守ろう会」は、これからもこの「100万本のどんぐりの森計画」を通じて、目に見えない地下水の流れを、目に見える人の繋がりへと変えていきます。


苗木を育ててくれた園児・児童の皆さん、そして険しい斜面に立ち向かってくださった参加者の皆さん。


心からの敬意と感謝を込めて。


熊本の水を、未来へ。私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。



 
 
 

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